環境に配慮して設計されたエコフレンドリー建築の傑作の数々、大都会の景観に溶け込む緑豊かなスペース、さまざまな自然保護区…City in Nature(自然の中の都市)シンガポールは、サステナブルな旅を満喫できる理想的なデスティネーションです。

ここでは、シンガポールの街を彩る庭園から都市部の緑化スペースまで、サステナブルな視点から見たシンガポールの魅力をご紹介します。

シンガポールのグリーンスペースとサステナブル建築

素晴らしきサステナブルシティ

シンガポールを訪れる人々は皆、目の前にそびえる近未来的な建築群に驚嘆します。でもこれらの建物は、外観だけでなく、その内側にも素晴らしい魅力を秘めています。  

シンガポールを象徴する建物や建築物の多くは、持続可能性を念頭に置いて設計されています。ここでは、有名な建築物をいくつかピックアップし、その内に秘めた魅力をご紹介しましょう。


ジュエル・チャンギ・エアポート
ジュエル・チャンギ・エアポート

シンガポールに到着して最初に足を踏み入れるのが、この珠玉のランドマーク。ジュエル・チャンギ・エアポートは、まさにサステナブル建築の傑作といえます。

このライフスタイルハブ(複合施設)の中心にあるレイン・ボルテックスは、雨水の再利用水を使用した壮大な滝。高所から降り落ちる水の流れが建物内の空気の循環を促し、涼感あふれる空間を生み出しています。また、2,000本を超える樹木と10万本もの植物が、この空港の中に真の森を形成しています。


ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ
ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ

“City in a Garden”(庭園の中の都市)を体現するガーデンズ・バイ・ザ・ベイ。150万本以上の熱帯植物や花々が生息するこの植物園は、街のCO2排出量を削減し、カーボンオフセットに貢献しています。 

ガラス張りの建物は、エネルギー効率に優れた最先端のテクノロジーにより、内部がいつもひんやりと涼しい気候に保たれています。
何本も立つ「スーパーツリー」は、垂直庭園としての役割だけでなく、雨水を集め、太陽光発電を行い、温室の換気口としての役割も担っています。


アートサイエンス・ミュージアム
アートサイエンス・ミュージアム

マリーナベイ・サンズのアイコン的存在であるアートサイエンス・ミュージアム。その外観から、しばしば蓮の花に例えられ、「シンガポールの歓迎の手」とも称される美しい建物は、持続可能なデザインを体現したサステナブル建築の代表作。

ミュージアムの館内を、数々の展示作品を鑑賞しながら進んでいくと、自然光がふんだんに降り注ぐ明るい空間に出ます。そしてそこには迫力満点の水のアート、レイン・オキュルス(Rain Oculus)が。この作品には年間1,400トン以上の再利用水が活用されています。


都心を彩る自然のオアシス

シンガポールの中心部を散策していると、高層ビル群と近代的な建物の合間に、美しい緑に覆われた空間が顔を覗かせます。水のある風景から緑豊かな公園へ、そしてまた水のある風景へ。これらの豊かな自然によって、サステナブルでグリーンな街並みが維持されています。


シンガポール植物園
シンガポール植物園

ユネスコの世界遺産に登録されている「シンガポール植物園」の歴史は、1859年にまで遡ります。近代シンガポール建国の父、スタンフォード・ラッフルズ卿が長年にわたりあたためてきたペットプロジェクトの一環として創設されました。

敷地内にある「国立蘭園」に展示されている200種におよぶ蘭の花を鑑賞したあとは、トロピカル・モンタンテ・オーキデトゥムへ。ここでは熱帯高山帯の珍しい蘭が咲くシークレット・ラヴィーンや熱帯山地林を散策しましょう。また、ジェイコブ・バラス・チルドレンズ・ガーデンでは、ツリーハウスや小川で、子供たちと一緒に楽しいひとときをお過ごしください。


フォート・カニング・パーク
フォート・カニング・パーク

かつて14世紀には王が君臨し、第二次世界大戦中には英国軍の軍本部があった場所——この緑あふれる安らぎのスポットには9つの庭園があり、それぞれが独自の物語を紡いできました。ヘリテージギャラリーを散策しながらシンガポールの知られざる過去を紐解き、ファークワー・ガーデンなど自然の中に歴史の面影が残る場所を訪れましょう。 


マクリッチ貯水池公園
マクリッチ貯水池公園

シンガポール最大の自然保護区にあるマクリッチ貯水池は、ランナーやナチュラリスト、写真愛好家に人気のスポットです。

ツリートップウォークでは、鳥になった気分で上空から眼下に広がる風景を楽しんで。また風光明媚なマクリッチ・トレイルを歩いていると、サルやリス、ヒヨケザルに出会えるかもしれません。


シンガポール郊外に、自然を求めて

シンガポールでは、環境にやさしいエコフレンドリーな方法で街を散策すること自体が、心躍る体験に。

島中の公園やネイチャースポットは、遊歩道や自転車道などの広範な緑のネットワーク「パークコネクター・ネットワーク」によって結ばれており、自転車やジョギング、ローラーブレードで巡ることができます。


ホート・パーク
ホート・パーク

この美しいスペースは、お花や植物が大好きなガーデニングファンを夢中にさせる場所。ここでは実践的なワークショップをはじめ、ガーデニング用品の販売、ビー&バタフライ・トレイルツアーのようなガイド付きツアーなど、さまざまなアクティビティが開催されています。


ジュロン・レイク・ガーデン
ジュロン・レイク・ガーデン

この90ヘクタールの広さを誇る緑のオアシスは、ご家族みんなで楽しめるアウトドアスポット。小さなお子さま向けの遊び場があるほか、キッズワークショップも開催。ヘロン・アイランドやサザン・プロムナードと呼ばれる美しい自然に囲まれた野鳥の生息地にも足を伸ばしてみましょう。サザン・プロムナードでは、メグロヒヨドリや耳のないマレーモリフクロウなど、さまざまな在来種の野鳥の姿を見ることができます。


センバワン温泉

公共の公園の中にあるこの天然温泉は、文字通り“自然の中に身を浸し”、リラックスできる癒しスポット。1960年代を彷彿とさせる食用植物や樹木が植えられた遊歩道「フローラル・ウォーク」をゆっくりと散策したあとは、公共の“足湯”に浸かって疲れた足を癒しましょう。