華々しい文化、洒落たライフスタイルショップ、古刹が立ち並ぶチャイナタウンは、1日かけて訪ねる価値のあるスポットです。
チャイナタウン
シンガポールの初期中国系移住者の民族居住地だったチャイナタウン。おしゃれな店や文化財、建築物があふれんばかりに混在する、この国最大の歴史地区になりました。
チャイナタウンにあるクレタ・アヤ、テロック・アヤ、タンジョン・パガー、ブキ・パソという4つの小区域それぞれが、独自の魅力を放っています。初めて訪れる人は、その規模に驚くかもしれないチャイナタウンですが、この総合ガイドがあればおすすめのアトラクションを見逃すことはありません。
1. チャイナタウン・ヘリテージ・センター(1時間40分)

往年のシンガポールへの入り口、1 チャイナタウン・ヘリテージ・センターは、発見の旅の出発点にうってつけです。アヘン、香辛料が並ぶ嗅覚の展示もある6つの体験型展示ギャラリーを通して、チャイナタウン居住者の生活を知ることができます。街並みを肌で感じ、当時暮らしていた人々を称え、思いをはせましょう。
ガイドツアーに参加したいなら、チャイナタウンの豊かな食文化を探検できるWok N' Stroll主催次世代ホーカーフード・ツアーやチャイナタウンの「オフ・ザ・ビートン・トラック(人にあまり知られていない場所へ)」がおすすめです。案内役は、美食と観光に情熱を注ぐカルミ・トマー。こうしたツアーでは、食欲と新しい知識への好奇心をたっぷり満たせます。
2. スリ・マリアマン寺院(15分)

2世紀ほど昔に建造されたシンガポール最古のヒンズー寺院2 スリ・マリアマン寺院は、今も祈りの場として賑わっています。その荘厳なたたずまいに驚きを隠せない六重の「ゴプラム」(塔門)を通って境内に入り、寺院内を見学しましょう。
寺院の守護聖人像は特別行事の期間中しか公開されませんが、壁画とヒンズー神のドゥルガー、ガネーシャ、シヴァを祀る聖堂は鑑賞できます。
3. マスジッド・ジャマエ(15分)

サウス・ブリッジ・ロードを進むと気づくのが、チャイナタウンの宗教の多様性です。3 マスジッド・ジャマエにある八角のミナレットをよくご覧ください。
地元の人たちにはチュリア・パリ(チュリア・モスク)としても知られているこの古い宗教施設は、1830~1835年の間にコロマンデルコーストからやって来たタミル・イスラム教徒が建てたものです。19世紀の面影を残している建造物には、新古典主義と南インドの伝統の要素が融合しています。
4. モハメド・アリ・レーンの壁画(10分)

回り道して4 Mohammed Ali Laneに向かうと、そこは青空アートとの出会いの場。シンガポールに数多く存在する大胆なストリートアーティストの一人、イップ・ユー・チョンの壁画に描かれているのは、シンガポールという街のいにしえを思わせる懐かしくもインスタ映えするシーンです。
この静かな通りにいつまでも残る人形使いや獅子舞衣装づくり屋などの懐かしい姿に、獅子の街シンガポールの昔を垣間見ることができます。
5. トン・ヘン(25分)

伝統の味を味わいたいときは、5 トン・ヘンを散策しながら、スイーツを一つ、二つつまんでみましょう。100年の歴史がある広東菓子店はエッグタルトで有名ですが、豆沙酥餅(小豆餡揚げ饅頭)や「老蔢餅」(冬瓜、アーモンドペースト、ゴマ)も味わってみるべきです。
6. 仏牙寺龍華院博物館(40分)

サウス・ブリッジ・ロードを進むとすぐに目に留まるのが、独特の雰囲気を放つ6 仏牙寺龍華院博物館の唐王朝風の建造物です。この博物館と寺院の複合施設を訪れる人は、寺院の遺物や文化的工芸品を自由に見学できます。
特徴あるパゴタとマニ車が設置された静かな屋上庭園で、ひと休みするのもおすすめです。
7. サゴ・レーン(10分)

1840年代にこの地域に点在していたサゴの製粉工場にちなんで名付けられた7 Sago Street。今では、伝統的な漢方薬局、気取りのない食堂やお土産の屋台が集まる場所になっています。おいしい焼き菓子や月餅を味わいたいなら、タイ・チョン・コックに立ち寄りましょう。1935年創業の昔ながらのベーカリーです。
8. お土産ショッピング(15分~)

サゴ・レーン沿いやサゴ・レーン付近の屋台の売り物を眺めれば、小物や旅の思い出になるものがたくさん見つかります。
今風の翡翠ジュエリーなら、スミス・ストリート沿いにある8 On Cheong Jewelleryを訪ねましょう。漢方薬ならニュー・ブリッジ・ロードにある泰山薬行(Thye Shan Medical Hall)、お菓子や味のいい「バクア」(バーベキューポークのスライス)ならリム・チー・グァンをおすすめします。
9. チャイナタウンビジターセンター(10分)

チャイナタウンの喧噪にまみれて、どこへ行っていいかわからなくなったら、9 Chinatown Visitor Centreで必要な情報はすべて手に入ります。仏牙寺龍華院博物館の裏手にあるビジターセンターでは、多彩なウォーキングツアーやお土産のほか、シンガポール島全土のアトラクションのチケットを扱っています。
10. チャイナタウン・フードストリート(45分)

たっぷり歩いてお腹が空きましたか? 10 チャイナタウン・フードストリートに集まるシンガポールの料理に舌鼓を打ちましょう。屋外に連なる食堂には、「サテー」(肉の串焼き)や「チャー・クェイ・ティオ」(ビーフンのダークソイソース炒め)など、シンガポール指折りの名物料理が立ち並んでいます。
11. チャイナタウン・コンプレックス(45分)

シンガポール島最大のホーカーセンターに立ち寄って、ランチを取るのもおすすめです。近頃ではシンガポールの繁華街で料理を売る屋台商人を見かけなくなりましたが、11 Chinatown Complexでは昔のままです。
パン・ジ・クックド・フードの「サ・カエ・マ」(ハニークラッカー)を噛みしめ、スミス・ストリート・タップスのクラフトビールをパイントで1杯、グイッとどうぞ。ランチには、2018年ミシュラン「ビブグルマン」を受賞したリアン・フー・ベンジ・クレイポット・ライスのクレイポット・ライスを堪能しましょう。
12. ナムズ・サプライズ(10分)

次に向かうは12 Nam’s Supplies。シンガポールの中国系コミュニティの宗教的慣習を知ることができます。伝統的に、中国系民族グループの人々には、愛する故人のために副葬品として、形見を焼くという信条があります。この信条を裏付ける不思議な製品や紙製の人形を扱っているのが、この店です。
13. ティアン・ホッケン寺院(20分)

その古さと崇拝を集めることではシンガポール屈指のホッケン寺院、13 ティアン・ホッケン寺院の守護神である「媽祖」は、19世紀に海を渡った中国系移民を見守っていたと言われています。
陸地が埋め立てられるまで、この寺院はテロック・アヤの入り江の海岸線に建っていました。境内を進めば、中国伝統の建築技法の創意工夫に驚嘆するはずです。この寺院の建設には釘が1本も使われていません。
14. マイ・オーサム・カフェ(30分)

まさに、「hospitality(おもてなし)」という言葉の中に「hospital(医院)」が入っているとおり――かつては数十年の歴史を持つ「中華医院」の名で知られていた医療施設があった場所が、14 My Awesome Cafeによってよみがえりました。このトレンディなカフェでは、インダストリアルシックな雰囲気の中、終日注文できる朝食プレート、ボリュームたっぷりのサンドイッチ、健康に良いサラダを提供しています。
帰りがけには、お土産の買い物も忘れずに。チャイナタウンで過ごした記念にインスタグラム投稿用の写真も撮りましょう。
その後は、ケオンサイクやアン・シャンの一角で夜を過ごすのもよし。この地域にあるミシュラン星付きの料理を堪能するのもおすすめです。