シンガポール美術館の展示を体験している子供。

画像 シンガポール美術館

シンガポールには質の高い美術館やギャラリー、展示空間が数多くありますが、シンガポール美術館(SAM)は地元シンガポールのアーティストや芸術愛好家の人々にとっては特別な存在です。インスピレーションを探し求めている人にとっては、まさに理想的な場所といえるでしょう。

現代アートを専門とし、アート界の最新のトレンドや表現、技術革新などに対して感度の高いアンテナを伸ばし続けているこの美術館は、東南アジア地域の才能豊かなアーティストたちを育成し、その表現の場として機能している、活気あふれるプラットフォームなのです。

アート、歴史、そして建築
シンガポール美術館の外観

画像 シンガポール美術館

その名称からは単体の組織のように思えますが、シンガポール美術館は2つの独立した建物に分かれています。

シンガポール美術館の本館の建築は、かつてはセント・ジョセフ学院という名のミッションスクールの校舎として使われていました。ヨーロッパのルネサンス様式を模したデザインで1867年に建てられたこの建築は、細心の注意を払って保全されています。

1992年にはナショナル・モニュメントの指定を受けたこの建築は、1996年からシンガポール美術館の本館として使用されるようになり、現在では東南アジアならびに世界の重要な現代アート作品のコレクションが収蔵されています。

シンガポール美術館の別館SAM at 8Qの外観とサイン

SAM at 8Qはシンガポール美術館の別館で、型破りな雰囲気が魅力です。この別館は、クイーン・ストリートに面して立っていること、また本館から約88歩でたどり着くことができることから、「8Q」と呼ばれています。

かつてはシンガポール・カトリック高校の敷地だった場所に建てられた4階建てのこの別館では、東南アジア地域の才能豊かな若手アーティストたちの展覧会を開催しています。

現代を生きるアートスペース

シンガポール美術館の展示は数か月単位で入れ替わります。絵画から彫刻、インスタレーション、そしてインタラクティブなメディアアートまで、取り上げるアートも多彩です。

これまでに、「Human Archive Project(ヒューマン・アーカイブ。プロジェクト)」(様々な社会階層の人々の内なる世界を間近に体感する展示)や、東南アジア映画の芸術性に着目した「Cinerama(シネラマ)」などの展覧会が開催されてきました。

幅広い現代アートの展覧会の他にも、SAM at 8Qでは家族連れや子供向けのプログラムも展開しています。「Imaginarium(イマジナリウム)」は、2009年から毎年開催されているインスタレーション展示のシリーズです。空間と時間の探究や、自然界への旅、感覚の研究など、幅広いテーマを取り扱ってきました。

SAM at 8Qの機能は単なるアートスペースにとどまりません。「ライオンシティ」シンガポールの才能豊かな若手アーティストたちの育成の場としての役割も果たしているのです。2001年にスタートした「President’s Young Talents(プレジデンツ・ヤング・タレンツ)」展では、シンガポールのクリエイティブシーンにおいて特に強い光を放つアーティストたちを幅広く紹介しています。これまで、受賞歴を持つ映画監督ブー・ジュンフェン、多彩な才能を持つヒーマン・チョン、そしてアート集団「バーティカル・サブマリン」などを紹介してきました。