美術館は当面休館中ですが、工芸品、絵画、彫刻のコレクションはホール内にひっそりと佇み、それぞれが持つストーリーを、目の肥えた見学者に伝えることを待ち望んでいます。そして、それを叶える手はあります。皆さんに必要なのは、コンピューターの電源を入れて、バーチャルに楽しむことだけ。

シンガポールへの渡航が叶わない今、その代わりに、情熱と可能性が宿る都市シンガポールの一面として、世界に通用するミュージアムをご紹介しましょう。視界をさえぎる人混みがない、広いギャラリーを歩き回ることを想像してみてください。芸術、歴史、文化と共に過ごす心地よい時間が広がっています。

シンガポールの多種多彩なミュージアムやギャラリーの展覧会のバーチャルツアー、動画、写真の厳選リストをご覧ください。いずれも、ほかならぬ個性が輝くミュージアムとギャラリーばかりです。そしてなんと、入場は無料です。

ナショナル・ギャラリー・シンガポール
ナショナル・ギャラリー・シンガポールのバーチャルツアー ナショナル・ギャラリー・シンガポールのスクリーンショット

シンガポールと東南アジアの現代アートを所蔵する最大の規模を誇る美術館にアクセスして、コンテンポラリーアートからモダニズム、抽象芸術の幅広いコレクションをじっくり鑑賞しましょう。

バーチャルツアーを利用すれば、ナショナル・ギャラリー・シンガポールが所蔵する東南アジアの芸術品8,000点を超えるコレクションを閲覧することができます。バーチャルツアーを開始するには、「explore museum(美術館を見学)」をクリックしてください。エレベーターに乗らずとも2階に行くことができます。ギャラリーの広い空間を、ゆっくり移動しましょう。

チュア・ミア・ティーが1959年に描いた有名作品「National Language Class」、さかのぼって1849年にロバート・ウィルソン・ワイバーが描いた絵画「Panoramic View of Singapore from the Harbour」に、ぜひご注目ください。後者に描かれているマウント・フェーバーの上にある総督の官邸を見つけてみましょう。

それから、有名な言葉「Siapa Nama Kamu」は目に入りましたか? 「National Language Class」に描かれた黒板には、マレー語で「あなたの名前は?」という意味の言葉が書かれています。この絵が描かれたのは1959年、シンガポールが英国から自治権を得た年です。

ツアー中、クリックする場所は慎重に。彫刻がぐるりと周りを囲んでいますから。例えば、チョン・ファ・チョンの「Family」と題された作品は、花火を見るために床に横たわっている彫刻です。地階から上階まで進んで行くには、サイドパネルの数字をクリックします。

子供向けの展示品もあります。1階に行ってみましょう。思わず引き込まれるような森、動物(シンガプーラトラを探してみましょう)や一つ目の樹木など、カラフルなビジュアルでいっぱいのワクワクする迷路があります。

そして気がつくと、パジャマ姿のままノートパソコンで何時間も美術館で楽しい時間を過ごしています。

ナショナル・ギャラリー・シンガポール
https://artsandculture.google.com/partner/national-gallery-singapore


シンガポール切手博物館
シンガポール切手博物館のバーチャル展示ツアー 国立遺産局のスクリーンショット

シンガポール切手博物館 は再開発のため休館中ですが、施設をバーチャル訪問して過去の展覧会を見学することはできます。シンガポールの歴史から、「The Little Prince(星の王子さま)」、「Harry Potter(ハリーポッター)」、「DC Super Heroes(DCスーパーヒーローズ)」といった特別展まで、すべて展示中です。

「Room of Rarities(ルーム・オブ・レアリティーズ)」に進むと、古い切手や切手販売機があります。かの有名な、とても目立つ色の郵便ボックスにご注目ください。アントワーヌ・サン=テグジュペリの古典「星の王子さま」のファンなら、「星の王子さま」の部屋は必見です。切手、郵趣グッズ、フランス人ポップアーティストのアーノルド・ナザレ=アガ氏のイラストや彫刻をご覧ください。

1966年に最初に発行された切手から始まって、発行される切手ごとに、「カンポン」(マレー語で「村」という意味)から都市までに至るシンガポールの軌跡を年代順に並べたものになっていることをご存じでしたか。「Singapore Journey: 50 Years through Stamps(シンガポールの軌跡:切手を通して見る50年)」をご覧になってください。歴史と構築環境にそれぞれ注目した2つの部屋があります。ここには、遊び場、マスコット、フェスティバル、ビクトリア・コンサート・ホールチャンギ空港など、シンガポールのあらゆる象徴を記念する切手が展示されています。

シンガポール切手博物館
https://www.nhb.gov.sg/spm/who-we-are/resources/virtual-tours


シンガポール・ビエンナーレ2019
シンガポール・ビエンナーレ2019の障害物競争のような展示の画像 シンガポール・ビエンナーレFacebookページの画像

第6回シンガポール・ビエンナーレは、2019年11月から2020年3月までの4か月にわたって開催された後、幕を閉じるはずでしたが、シンガポール・ビエンナーレのFacebookページの写真ギャラリーを用意して、オンラインで続行されます。

40点に及ぶ選び抜かれた写真作品を閲覧してみてください。注目は、ベロニカ・トロンコソ氏の「Telling Stories from Inside and Outside」。美しい布の巻物を通じて、シンガポールの各世代にわたる移住と移動の物語を探ってみましょう。

ナビラ・ノルディン氏の作品「An Obstacle in Every Direction」は、まるで障害物競走にチャレンジするような構造をしています。この作品は、色々な可能性を秘めた様々なルートを探索するよう促します。

写真ツアーの終わりに近づくと、ハイラル・ラヒム氏による「Intimate Apparitions」という奇妙なインスタレーションがあります。ここでは、ありふれたモノが、なじみのない創造物に再構成されています。広い野原やガゼボ、運動コーナー、寝室などの空間を通して、公共のスペースとプライベートスペースの持つ二面性を観察するよう、見る人に呼びかけています。

シンガポール・ビエンナーレ2019
www.facebook.com/SingaporeBiennale/photos


シンガポール国立博物館
シンガポール国立博物館「An Old New World」展覧会の地球儀の画像 シンガポール国立博物館Facebookページの画像

シンガポール国立博物館で近頃閉幕した「An Old New World: From the East Indies to the Founding of Singapore(古くて新しい世界:東インドからシンガポール建国まで)」巨大展示会は、その後1か月もたたずに、今度はオンラインで公開されています。

17世紀初頭のオランダ東インド会社やイギリス東インド会社を魅了した、東インドの活気に満ちた貿易界にさかのぼる200年の歴史を、4月15日からバーチャル見学できます。その物語は、1819年にシンガポールが中継貿易地として確立するまで続きます。

このバーチャルツアーでは、本展覧会の学芸員の講演を聴いたり、工芸品を鑑賞したりできます。工芸品の中には、海外の一流ミュージアムのプライベートコレクションや重要作品など、公共団体や個人のコレクションの貸し出しもあります。

1799年の地球儀と天球儀のペア、東インド会社の箱と陶瓶、英国人で初めてシンガポールに居住し、司令官に任命されたウィリアム・ファークハー少将のものであった18世紀後半の東スマトラ様式の「クリス(短剣)」を、お見逃しなく。

「Old New World: From the East Indies to the Founding of Singapore(古くて新しい世界:東インドからシンガポール建国まで)」
https://www.nhb.gov.sg/nationalmuseum/


イスタナ
イスタナの応接ホールの眺め イスタナ360度ツアーのスクリーンショット

正しくはミュージアムでも展覧会でもありませんが、シンガポール共和国首相の大統領官邸であるザ・イスタナ(マレー語で「宮殿」という意味)には、アクセスする価値があります。このネオパラディアン様式の官邸には、バーチャルツアーでアクセスできます。さらに、国家行事の際に要人をもてなす部屋を見学できます。

最初に見学するのは、360度どこを見ても豪華絢爛な応接ホールです。花のメダリオンを囲んだデザインの絹とウールで織られたペルシャ絨毯の上に実際に立ってみましょう。マホガニー材で作られた、抽象的な三連祭壇画を飾ったルイ14世の椅子をお見逃しなく。

大広間の方に移動しましょう。そこは深紅のベルベットのカーテンに囲まれた壇上がある、公式発表を行う大広間です。壮大なバンケットホールにも目が引きつけられるはずです。この壮大な空間を、しばし実感してみましょう。ヒント:上を見上げると、18世紀のマリア・テレサ様式でデザインされた重さ220kgのキャンデラブラ(枝付き燭台)型シャンデリアが目に入ります。

続いては、上階の居心地の良い部屋の数々を覗いてみましょう。スタチュアリオホワイトの大理石に赤のアキスミンスター織りランナーカーペットが敷かれた輝くばかりの大階段を上ってみます。この壮麗な史跡で、応接間やベランダの間を見て歩き、マザーオブパールの象嵌を施した椅子などの極めて美しい家具や調度品をご覧ください。

イスタナ
www.istana.gov.sg/360-tour