世界中がスローダウンしている間に、快適なリクライニングチェアやベッドにゆったりと落ち着いて、優れた本や映画を堪能しませんか。今はまだ旅行は無理とはいえ、陽光降り注ぐシンガポール島の豊かな歴史に浸ったり、地元の屋台料理に関する知識を得たり、町の眺めや音に感嘆したりすることはできます。すべて、シンガポールで制作されたシンガポールにまつわる本や映画を通して。

飛行機に今すぐ乗ることができない旅行者にとって、本や映画は現実逃避にうってつけ。まさに、現実と想像の狭間にある多彩な登場人物や好奇心をそそる筋書が満載の異世界に連れて行ってくれる存在なのです。

ドキュメンタリーからドラマ、ノンフィクションまで、厳選された本と映画でシンガポールを垣間見て、シンガポール社会の物語、歴史、文化の機微を理解してみましょう。

さあ、靴を脱いで、リラックス。選りすぐりの本のページをめくり、映画のシーンを観て、シンガポールを旅する準備はいいですか。

『Singapore: A Biography』の表紙
『Singapore: A Biography』の表紙
ブックス・アクチュアリーからの画像

エピソードや物語がぎっしり詰まった『Singapore: A Biography』は、マーク・フロストとユ・メイ・バラシンガムチャウの共著。この7世紀にわたるシンガポール史を形作った労働者、冒険家、統治者、革命派の個人的な体験を通して、シンガポールを紹介する書籍です。

シンガポール国立博物館と協力して研究を進めている著者2人が、昔の年代記、目撃証言、口伝の歴史、ラジオ放送から編纂して、鮮明で説得力のある回顧物語を創り上げました。

500ページほどに及ぶ分厚い本に、しばらくは夢中になるはず。読み終わるまで、一人きりでシンガポールを巡ることができるでしょう。

『Singapore: A Biography』は、ブックス・アクチュアリーで購入できます。


『Lion City』
『Lion City』の表紙
エピグラムからの画像

シュールレアリスムやファンタジーがお好きなら、高く評価されている脚本家で詩人のン・イ・センによる『Lion City』に没頭するはず。2019年シンガポール・ブック・アワード最優秀文芸作品賞を受賞した『Lion City』は、神話、マジックリアリズム、現代SFの香り立ち込める短編フィクション集です。

思い浮かべてほしいのは、動物園で動物たちがロボットになる物語や、ワニと恋に落ちる王子様の物語―――なじみのあるシンガポールを舞台にした、少し奇妙な物語です。

『Lion City』は、ブックス・アクチュアリーおよびエピグラムで購入できます。電子ブックのご注文はこちら


『The ieatishootipost Guide to Singapore’s Shiokest Hawker Food』
『The ieatishootipost Guide to Singapore’s Shiokest Hawker Food』の表紙
エピグラムからの画像

ローカルフードブロガーのDr.レスリー・テイと一緒に、おいしい屋台料理を探しましょう。屋台料理は、大勢の人たちから敬愛され、料理学校として扱われていることもあります。シンガポールの絶品屋台料理を紹介する地元ガイドとうたわれているこの本のハイライトは、著者が披露する屋台料理に関する幅広い知識。

料理に関する見事な写真や生き生きとした描写が詰まったこの本は、5年以上に及ぶ食、撮影、投稿の記録です。英国出身で食と旅を専門とするライター、マイケル・ラファエルは、この本を「すべての旅人待望の一冊、信頼できる情報源」と呼んでいます。

まずは料理ガイドブックの各ページを目で味わい、気に入ったらシンガポール料理を自宅で作ってみましょう。旅行できるようになったら、ぜひ、シンガポールのホーカーセンターや通りに繰り出してください。

『The ieatishootipost Guide to Singapore’s Shiokest Hawker Food』は、エピグラムで購入できます。


『Singapore GaGa』
『Singapore GaGa』のポスター
www.tanpinpin.comからの画像

次は映画のご紹介です。シンガポールの風景を目と耳で満喫できる『Singapore GaGa』は、シンガポール初の映画として公開されたドキュメンタリー。2005年、7週間の劇場公開中にチケットが完売となった作品です。

上映時間はわずか55分ですが、タン・ピン・ピンが監督したこのドキュメンタリーは、十分なスピード感のある複雑なストーリーに観る人を引き込みます。マーガレット・レン・タンが登場する印象的なシーンは特に注目です。彼女は、地元のピロティでの演奏に立ち返って、カーネギーホールでトイピアノを演奏したことで知られるピアニストです。

絶賛を受けたこのドキュメンタリーは、大道芸人や露天商、腹話術など、あらゆる職業のシンガポール人の日常を鋭く観察することによって、シンガポールの過去と現在を明らかにしています。映画を観てシンガポールのもう一つの実像に触れながら、自宅で静かな午後をお過ごしください。

『Singapore GaGa』はVOD(オンデマンド動画配信)でオンライン視聴できます。


『クレイジー・リッチ!』
『クレイジー・リッチ!』のポスター

現代に移って、『クレイジー・リッチ!』の荒唐無稽な登場人物たちに山ほど囲まれてみましょう。シンガポールを舞台にした現代ロマンチックコメディ『クレイジー・リッチ!』の原作は、シンガポール生まれの作家ケビン・クワンのベストセラー小説。

相続財産をめぐる若い恋人たちの恋愛事情を明るく魅力いっぱいに描いたオールスターキャスト映画です。グローバルな大都市の景色と音を堪能できるこの映画は、次回のシンガポール旅行の計画を立てるときにうってつけです。

ニュートン・ホーカー・センターでの食事からガーデンズ・バイ・ザ・ベイで開かれる結婚披露宴まで、シンガポールの観光スポットを忘れずにメモしておきましょう。こちらの記事も参考になります。

『クレイジー・リッチ!』は、Google Playでレンタル・購入できます。


『15 Shorts』
映画15編の一つ、『The Buddy』のスチール
Viddseeからのスクリーンショット

感動のひとときを過ごせるのが、心に響くヒューマンストーリーを集めた『15 Shorts』。『Mee Pok Man』や『12 Storeys fame』を制作したエリック・クー、初制作作品『Pop Aye』で2017年サンダンス映画祭審査員特別賞を受賞したばかりのカーステン・タンなど、15人の監督による短編映画のコレクションです。

1970年代~1990年代に無私無欲の行いを実践したシンガポール人たちの実話を、15人の監督が描いています。注目は、新進映画制作者のジェイソン・リーによる『The Buddy』。2人のクラスメートの間の友情を中心とした映画です。

もう一つの注目すべき作品『T(h)ree Lives』は、見知らぬ親切な人によって人生が大きく変わった目の不自由な女性、ロージー・ワンの実話に基づいたもの。評価の高い映画制作者P・ラジャゴパルによる作品です。

各短編映画は、国民運動SG Caresを支持しています。これは、シンガポールで行われているゼロからのボランティア活動の取り組みを支援するものです。

『15 Shorts』は、Viddseeで視聴できます。


『The Violin』
短編映画『The Violin』のスチール
Viddseeからのスクリーンショット

1930年代のシンガポール。シンガポール川でバイオリンを見つける少年。その時から、漁村から今日の近代的な大都市に発展する国を背景に、このバイオリンはさまざまな持ち主を渡り歩きます。

楽器を通して歴史の教訓を伝え、物語を伝えるバイオリンが登場する鮮やかなアニメーションを監督するアービン・ハンは、シンガポールに拠点を置く、受賞歴を誇るアニメーションスタジオ「ロボット・プレイグラウンド・メディア」の創業者でもあります。

セリフのない映画ですが、音楽――もちろんバイオリン音楽――が語り部となり、シンガポール川沿いで開かれる感動的なコンサートで絶頂を迎えます。シンガポール80年の歴史がよくわかるようになる16分間の短編映画です。

『The Violin』は、Viddseeで視聴できます。