新世代のシェフたちは、シンガポール人にとってソウルフードともいえる馴染みのある味を維持しつつ、新しい調理技術、フュージョンな味、革新的な盛り付けで、シンガポール料理を再定義しようとしています。地元の人気料理に新しい息吹が吹き込まれ、とびきりモダンなプレゼンテーションも相まって、レストランの定番メニューとして提供されています。

これはモダンなシンガポール料理、「モッドシン」(Mod-Sin)です。この言葉は、ワイルド・ロケットを率いる、シンガポール出身のシェフ、ウィリン・ローによる造語です。

静かなマウント・エミリー公園内に、古風で趣のあるレストランが佇んでいます。店内に足を踏み入れると、店内はすべてシンガポールで埋め尽くされています。照明からその内装のデザインや食器にいたるまで、すべてがシンガポール製というこだわりようです。

ランチの裏メニューとして、有名なラクサ・ペースト・パスタを頼んでみましょう。これは香辛料がきいたココナッツスープに麺を入れた地元の人気料理をアレンジした一品です。

デザートには、パンダンの香りのパンナコッタ、塩味の グラ・メラカ(ヤシ砂糖)添えがおすすめです。ローシェフの手にすべてお任せしようと決めたなら、シェフのテーブルで楽しめるおまかせメニュー(シェフが料理を選ぶ)もあります。


ラビリンス・チリクラブ 撮影者 Restaurant Labyrinth

冒険的な味に挑戦したい方なら、オーナーシェフのLGハンが率いるレストラン・ラビリンスをきっと気に入ることでしょう。

このレストランは、地元の人気料理をアレンジし、原形をとどめないほどに創作を加えることで、話題を振りまいてきました。どの料理も、インスタグラムにアップする価値がある印象的な外見をしています。たとえばラビリンス・チリクラブには、地元の人なら誰でもこの料理に期待する、濃厚でスパイシーなソースがかかっていません。その代わりに、チリクラブアイスクリームに少し寄りかかった姿勢のソフトシェルクラブの天ぷらがテーブルに運ばれます。天ぷらの周りには、マントウ(揚げた中国パン)を粉状に砕いたものが飾られています。


キャンドルナットのブアクルア・アイスクリーム

伝統的なプラナカン(海峡華人および海峡マレー人/インドネシア人)料理を味わうなら、おすすめはキャンドルナットです。こちらのお店では、一般的に鶏料理に使われる「ブアクルア」(東南アジアのブラックナッツ)をとても斬新な形で使用しています。マルコム・リー シェフはそれをアイスクリームに取り入れたのです。素朴な「ブアクルア」がヴァローナのチョコレートと絶妙なハーモニーを生んでいます。アイスクリームは、塩キャラメル、チョコレートクランブル、チリ、そしてエスプーマで泡状にした温かいミルクチョコレートといっしょにサーブされます。


東洋料理と西洋料理の融合を楽しめるのは、マリーナ・スクエアにあるレッドパン。こちらのレストランは、さまざまなフュージョン料理が自慢です。エビと「蝦米香」のパスタ(自家製のスパイシーなエビのペーストとエビのソテーをのせたタリアテッレ)や、西洋の定番料理を「臘腸」(中国のソーセージ)と組み合わせたマカロニ・チーズなど、メニューも豊富です。デザートには、「テーハリア」(生姜入りティー)クレームブリュレがおすすめです。定番のクレームブリュレを生姜と紅茶でアレンジした一品です。