リトル・インディア

シンガポールでも指折りのカラフルさを誇る歴史地区の街、リトル・インディア。かつては石灰坑やレンガ焼き窯が点在し、競馬場もあったこの地区の通りには、牛飼いや商人、花輪職人たちなどが商売のために集まり、活気ある賑わいを見せていました。

今日に至るまで、この地区ではインド文化独特の伝統が受け継がれています。古い寺院や香辛料、絹、花などを売る屋台と並んで、現代的なストリートアートやお洒落なレストランが軒を連ねるこの街は、新旧が入り交じり、不思議な魅力を醸し出しています。

200年にわたる歴史を持つこのリトル・インディア地区を散策すれば、たくさんの魅力と出会うことができるでしょう。

おすすめスポットはすべて、MRTリトル・インディア駅周辺に
1. 文化を堪能
テッカ・センターの通路沿いに並ぶサリー

スリ・ヴィーラマカリアマン寺院

早起きしてまず最初に訪れるのは、1 スリ・ヴィーラマカリアマン寺院。リトル・インディアの朝の姿に触れてみましょう。

19世紀にセラングーン地区に住んでいたインド系開拓者たちが建立したこの豪華な宗教施設には、恐ろしげな姿をしたカーリー神が祀られています。ヒンズー教についての知識を深めるには絶好の場所です。

タン・テンニア氏邸宅跡のカラフルなファサード

タン・テンニア氏邸宅跡

文化を思う存分満喫した後は、2 Tan Teng Niahの旧邸宅まで朝の散歩といきましょうか。このカラフルな2階建てのバンガローは、地区内で菓子工場を経営していた著名な中国系実業家が所有していたもの。欧州と中国の建築様式が融合した独特なスタイルで、歴史ファンなら必見の建物です。

その他の観光スポット:テッカ・センター

スリ・ヴィーラマカリアマン寺院を訪ねる前にエネルギーをチャージしたいなら、3 テッカ・センターに立ち寄って早めの朝食をとりましょう。ここの屋台では、定番インド料理。ナン(オーブンで層に焼いた平パン)やバダイ(美味なインドの揚げドーナツ)など、さまざまな味がよりどりみどりで楽しめます。

2. 五感で堪能
トーセと副菜のプレート

The Banana Leaf Apolo(ザ・バナナ・リーフ・アポロ)

ランチは、この昔ながらの食堂で、バナナの葉に盛り付けたインドの伝統料理を味わってみましょう。1974年創業の4 ザ・バナナ・リーフ・アポロは、地元の人なら誰もが知る有名店。フィッシュヘッド・カレーやスパイシーチキンの「マサラ」で知られています。

リトル・インディア・アーケード

腹ごなしには、5 リトル・インディア・アーケードの散策へ。忘れられない楽しい思い出ができる場所です。ここは、見るものも聞こえてくる音も、漂ってくる匂いも魅力いっぱいの賑やかな屋内市場。小さな装身具からタペストリー、お菓子まで、ありとあらゆるものを売る屋台が並んでいます。

ジョティ・ストア・アンド・フラワー・ショップの外観と、回廊に並ぶ観光客たち

ジョティ・ストア・アンド・フラワー・ショップ

この店は、その名前から想像されるものとはちょっと違っています――6 Jothi Store & Flower Shopは、もともとは宗教儀式用の花や花輪を売っていた店ですが、現在はお土産や小物雑貨を幅広く扱っているのです。宗教的な彫像や線香、カラフルなバングルなど、文化愛好家には見逃せない逸品が勢揃いしています。

グルメなベジタリアン向け:Komala Vilas(コマラ・ヴィラ)

ベジタリアンの方や、宗教上の理由で肉食を控えている方にぴったりのレストランは、「バナナ・リーフ・アポロ」だけではありません。例えばここ、7 コマラ・ヴィラもおすすめです。1947年頃に創業したこのお店は、南インドの料理と北インドの料理、どちらも食べられる人気のレストランです。

3. 伝統を探る旅
インディアン・ヘリテージ・センターで展示を見る来場者

インディアン・ヘリテージ・センター

シンガポールのインド系コミュニティと南アジア系コミュニティには、長くて豊かな歴史があり、それはシンガポールという国の成り立ちと切っても切り離せないものです。8 Indian Heritage Centre(インディアン・ヘリテージ・センター)で開催されているさまざまなイベントや展覧会、ガイドツアーを体験すれば、シンガポール文化のこうした側面への理解を深めることができます。

マスジッド・アブドゥル・ガフール

次はキャンベル・レーンをそぞろ歩きして、9 Masjid Abdul Gaffoorへ。1979年にナショナル・モニュメントに指定されたこのモスクは、シンガポール島で最も古いモスクのひとつ。その歴史は1800年代にまで遡ります。

コリント式の柱などの西洋の伝統的なモチーフに、サラセン式の建築や文字装飾などが融合したこの美しい宗教施設は、文化のるつぼであるシンガポールの姿を余すところなく示しています。

その他の観光スポット:2 Dickson Roadの壁画

ストリートアートのファンなら、アブドゥル・ガフール・モスクから少し回り道をして10 2 Dickson Roadへ。壁を飾っている鮮やかな花の壁画は、2人組のアーティストソバンドワインの作品。ハッシュタグ「#OOTD」を付けて今日のファッションを投稿すれば、絶好の背景になります。

4. 新しいもの、変わったものを発見
オンレウォのファブリック製品

オンレウォ

リトル・インディアにあるのは歴史と伝統だけではありません。この地区を歩いて活気ある店をのぞけば、リトル・インディアの進化を目の当たりにすることができます。

その一つが、デザインストアの11 Onlewo。お土産のショッピングにもぴったりのお店です。ファブリックや家庭用雑貨、ギフトなどを山のように取り揃えているこの店の商品のデザインの多くは、シンガポールを代表するさまざまな地区からインスピレーションを得ています。

マラヤン・カウンシルのロティ・キライ・ビーフリブ

マラヤン・カウンシル

お昼の休憩は、ダンロップ・ストリートにある12 マラヤン・カウンシルへ。ロティ・キライ(レース状のパンケーキ)を添えたビーフリブや、鴨肉とチリ・パディ(小ぶりの唐辛子)のパスタなど、シンガポール風にアレンジされた西洋料理が食べられる地元の人気食堂です。

お腹に余裕のある人は、デザートにケーキもおすすめします。ここでは、ドリアンやオンデオンデ(ヤシ糖を詰めてドライココナッツをまぶした餅団子)といったローカルの味をヒントにした、さまざまなおいしいケーキを味わうことができます。

その他の観光スポット:ダンロップ・ストリートの壁画

インスタ映えするスポットをお探しですか? 少し歩けば、たくさんのストリートアートに出会えます。13 Haniffaの壁に描かれているのが「アライブ@クライブ」。このダイナミックなアート作品は、カラフルな背景に伝統的なインドのダンサーを描いたもの。あなたの一日を色彩豊かに演出してくれること請け合いです。

お土産探しなら「ハニファ」がおすすめです。サリー(インド伝統の婦人服)や昔ながらの生地を買ってお土産にしましょう。

 

こちらも

チェック