威風堂々
工学技術の偉業であり、建築的思想を表現し、純然たる美観的成功を収めているマリーナ・ベイ・サンズ®は、シンガポールの建物に求められる水準を引き上げました。
ベイフロントエリア全体を占めるマリーナ・ベイ・サンズ®の巨大複合施設。2010年に、その見事なシルエットを公開して以来ずっと、シンガポールのスカイラインで圧倒的な存在感を放ってきました。
ホテル、一流レストラン、コンベンション・センター、ショップ、劇場、博物館、イベントプラザなどを収容し、155,000平方メートル超にわたって広がる複合施設です。
一流建築家モシェ・サフディ(Moshe Safdie)が設計したこの建築物は、地上200メートルにそびえる傾斜した3つのタワーがあり、その3棟の頂上は、広大なスカイパーク®で連結されています。360度に広がるシンガポールの眺望を楽しめるのは、そのためです。緑茂る庭園、ジョギングコース、公共展望台、インフィニティプールを備えたこの公共スペースは世界最大の片持ち梁構造の建物です。この建物こそ、工学技術の驚異――ナショナルジオグラフィックのドキュメンタリーテレビシリーズ『巨大建造物』のエピソードとして特集されたのも、当然のことです。
開いた蓮の花のような形、花芯に目を見張るような滝が流れるアートサイエンス・ミュージアム博物館なども見どころです。建物の‘花弁’はそれぞれ高さが違い、ヨットに多用されるポリマーで覆われています。かすかに輝く雰囲気を演出するためです。
博物館の近く、海から突き出たように見える2つのクリスタル・パビリオンにも注目です。切り子面のガラスと鋼材で構成された建築物に、ショップやナイトクラブが入っています。角のある壁は、この複合施設全体の曲線的な形状と対比するかたちで設計されています。
ショー鑑賞、ロマンチックなディナー、高級ブティック巡り。マリーナ・ベイ・サンズ館内を訪れる目的が何であっても、最後は館外の散策で決まりです。昼も夜も、移ろう空の色が、驚異の建築物の表面に反射して輝く様子に、心奪われることでしょう。
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