シンガポールの魅力溢れる中国系のお祭りのひとつ、中秋節は、家族とともに盛大に祝う行事です。灯籠を手にした人々の行列や甘くて美味しい月餅がお祭り気分を盛り上げます。
秋の収穫シーズンの終わりを告げる中秋節は、伝統的には神に感謝を捧げるための期間でした。
また、この時期は1年で月が最も明るい時で、中秋節には月にまつわる伝説がつきものです。特に知られているのが、無慈悲な王の妻であった嫦娥の物語です。彼女はは夫の非道な支配から人々を救うために、彼が飲もうとしていた不死の霊薬を飲みました。
その後彼女は月へと昇り、それ以来中国系の人々に「月の女神」として崇められていると物語では述べられています。
黄昏時
中秋節は月を愛でるお祭りなので、本格的な祝祭は日没後に行われます。
このイベントの楽しみ方として人気があるのは、月見パーティーです。紙ちょうちんの柔らかな灯りに包まれた庭に家族や友だちが集い、お茶を飲みながら月餅をつまんで、インスピレーションが高まった場合は、はるか昔の唐王朝時代のやり方で詩を書いて楽しみます。
きらめく提灯

ちょうちんを持ち歩けるので、この祭りは子供たちに人気です。
伝統を重んじる人々は、ろうそくの灯りをともす優美な紙製のちょうちんを選びます。もっと凝ったものでは、様々な色のセロファンとワイヤーで作った車や漫画のキャラクターなどのあらゆる形のちょうちんもあります。
残念ながら、プラスチック製で電池式の音楽が鳴るバージョンもありますが、好みは人それぞれです。
シンガポール中の一部の祭り会場、特にチャイナタウンでは、本物のちょうちんを実際に見ることができます。チャイナタウンには大きな美しいちょうちんが展示され、その創造性、芸術性、伝統的な職人技は驚異的です。また、ストリート・バザールで月餅や上質のお茶を楽しみ、毎晩行われるパフォーマンスを鑑賞し、 ちょうちん塗り競争を見学しましょう。
恒例のミッド・オータム・フェスティバル・ライトアップは、2020年9月19日から10月16日に開催します。