シンガポールの食文化は、多文化と多国籍に裏打ちされた伝統を反映しています。看板料理の多くは、さまざまな職業や地位を持つ先人たちが持ち込み、長い年月を経てシンガポール独特の味に進化したものです。

伝統料理をお求めの方も、創造性あふれるモダンな料理を試したい方も、ローカル料理の数々を集めたこの飲食店ガイドをご覧になれば、食欲も興味もかき立てられること間違いなしです。

ワンタン麺を盛り付けている「ア・ヌードル・ストーリー」オーナーの人物写真

チリクラブ
チリクラブのクローズアップ写真

おすすめスポット:ジャンボ・シーフード

最も有名なシンガポール生まれの料理の一つ、国民的シーフードともなっているチリクラブは、滞在中にぜひ味わっていただきたい一品です。

1950年代に誕生したこの料理は、ジューシーなカニをトマトとチリペーストを使ったおいしいソースで味付けしたもので、その複雑な味わいはシーフード好きをとりこにします。

チリクラブは島内の至るところで食べられますが、おすすめはジャンボ・シーフードのものです。この店はイースト・コースト・パークの爽やかなビーチ沿いに位置し、メニューにはエビのシリアル炒め、ホタテのヤム芋揚げ、タラのラディッシュとチリソースがけなどの味も並びます。

ジャンボ・シーフード(イースト・コースト・シーフード・センター内)Block 1206 East Coast Parkway #01-07/08, Singapore 449883 +65 6442 3435
月曜日~金曜日 午後4時30分~午後10時、土曜日・日曜日 午前11時~午後10時


ロティ・プラタ
カレーと一緒に出されたロティ・プラタ2皿

おすすめスポット:ミスター・アンド・ミセス・モーガンズ・スーパークリスピー・ロティ・プラタ

外はカリカリ、中はソフトなバター風味。「ロティ・プラタ」(インド南部の平たいパン)は炭水化物が欲しい時にぴったりの人気朝食メニューです。このパンはパンジャブが発祥と言われており、インド南部からの移民がシンガポールに持ち込みました。

伝統的な「プラタ」はほとんどプレーンまたは卵が入った形で出されますが、玉ねぎ、チーズ、ニンニクなどが入ったバリエーションも美味です。たいていはマトンまたは魚入りの熱々のカレーが付いてきます。

この伝統料理を味わうなら、ジョー・チャット・ロード沿いのコーヒーショップ内にあるミスター・アンド・ミセス・モーガンズ・スーパークリスピー・プラタが一番です。売り切れでがっかりしないよう、朝早く出かけて長蛇の列を避けましょう。

ミスター・アンド・ミセス・モーガンズ・スーパークリスピー・ロティ・プラタ 300 Joo Chiat Road, Singapore 427551 +65 9794 3124
月曜日・木曜日〜日曜日 午前6時30分~午後1時、火曜日 午前6時30分〜午前11時30分


ニョニャ・ラクサ
「ラクサ」のクローズアップ写真

おすすめスポット:328 Katong Laksa(328 カトン・ラクサ)

シンガポール住民に、島一番の「ラクサ」(ココナッツミルクベースの辛いスープ)を食べられる場所はどこかと尋ねたら、たちまち議論の嵐が巻き起こることでしょう。

プラナカン*料理から発展したこのスパイシーな麵料理は全国で人気があり、香辛料の効いたリッチな味わいは雨の日にほおばるのにぴったりです。ココナッツミルクと乾燥エビで味付けされたスープの中に、白いビーフン、エビやハイガイなどが入っています。

この美味しい料理に初めて挑戦される方は、328カトン・ラクサへ直行しましょう。この屋台は20年以上にわたって熱々の「ラクサ」を作っており、長年にわたる数多くのファンがいます。

*「プラナカン」はインドネシア/マレー語で「地元生まれ」を意味する言葉で、一般的には中国系とマレー/インドネシア系の婚姻による子孫のことを指します。

328 カトン・ラクサ216 East Coast Road, Singapore 428914
毎日 午前9時~午後9時


ロジャ
ロジャのクローズアップ写真

おすすめスポット:ラオ・ホン・サー・ロジャ、ハビービズ・ロジャ

ロジャ」(野菜、果物、小麦粉で作った生地を揚げたものを混ぜた甘辛のサラダ)は、シンガポールと同じく多彩な文化の影響が垣間見られる一品です。

ロジャとはマレーの話し言葉で「さまざまなものの融合」という意味。その名の通り、バラエティに富んだ素材が集まって味のハーモニーを生み出しています。数種類の野菜、果物、小麦粉で作った生地を揚げたものをミックスし、発酵させたエビ、チリペースト、砂糖、ライムからなる甘い濃厚なソースをかけます。

ダンマン・フード・センターにあるラオ・ホン・サー・ロジャとアヤー・ラジャ・フード・センターにあるハビービズ・ロジャで、大きく異なる二つのバリエーションを食べ比べませんか。ハビーブズ・ロジャでは、スパイシーなピーナッツソースをかけたインド風バージョンを提供しており、魚の練り製品や衣がついたエビなどバラエティに富んだ素材を選んでミックスすることもできます。

ラオ・ホン・サー・ロジャ(ダンマン・フード・センター内)271 Onan Road #02-14, Singapore 424768 +65 6346 6519
月曜日〜土曜日 午後4時30分〜深夜1時30分

ハビービズ・ロジャ(アヤー・ラジャ・フード・センター内) 503 West Coast Drive Stall 68, Singapore 120503 +65 6873 7010
毎日 午前11時~午後10時
隔週月曜定休


モッド・シン
ア・ヌードル・ストーリーのラーメン

おすすめスポット:キャンドルナットラビリンスポーア・ヌードル・ストーリー

モダン・シンガポール料理を省略した「モッド・シン」は、シンガポールの屋台料理や伝統料理にモダンな解釈を加えたものです。

ミシュランの星を獲得したレストランからホーカー(屋台街)の店まで、さまざまな店がローカル料理を独自の解釈で斬新にアレンジした料理を提供しています。

すべてのモッド・シン料理をここで紹介することはできませんが、スタート地点として押さえておきたい場所はいくつかあります。キャンドルナットのタコの炭火焼と「アチャー」(プラナカン風スパイシーな野菜のミックス)の組み合わせや、ラビリンスの遊び心たっぷりのチキンライスといった、食欲をそそるメニューはいかがですか。

モッド・シン料理を出している他のレストランには、伝統的な「ポピア」(野菜や他の食材が入った生春巻き)をアイスクリームデザートに変身させたポー、日本のラーメンとワンタンを融合させた料理で有名なア・ヌードル・ストーリーなどがあります。

キャンドルナット 17A Dempsey Road, Singapore 249676 1800 304 2288(国内電話専用)
毎日 正午〜午後3時、午後6時〜午後10時

ラビリンス(エスプラネード・モール)8 Raffles Avenue #02-23, Singapore 039802 +65 6223 4098
火曜日~金曜日 午後6時30分~午後10時、土曜日・日曜日 正午~午後2時30分、午後6時30分~午後10時

ポー(ウェアハウス・ホテル内) 320 Havelock Road, Singapore 169628 +65 6828 0007
毎日 正午〜午後3時、午後6時〜午後10時30分

ア・ヌードル・ストーリー(アモイ・ストリート・フードセンター) 7 Maxwell Road #01-39, Singapore 069111. +65 9027 6289
月曜日〜金曜日 午前11時15分〜午後1時30分、午後5時15分〜午後7時、土曜日 午前11時30分〜午後1時15分