アジアTVフォーラム&マーケット

昨年4日間におよぶ「Screen Singapore」(SS)と「アジアTVフォーラム&マーケット」(ATF)が12月9日に開催されました。ATFは、アジアのエンターテインメント・コンテンツ産業を率いる見本市です。あらゆるプラットフォーム全般にわたる共同制作コンテンツの売買、資金調達、配信を行うことを目指して、海外のコンテンツ販売業者とアジアのバイヤーが集まります。皆の話ではイベントは大成功でした。
ここに挙げる数字を、よくご覧ください。業界の関係者および部内者4,800人が参加したATF2014では、バイヤー846人と出展者658人が13のパビリオンに集まり、バイアコム、ターナー、ディズニー、ケシェット、ツイッター、BBC、ナショナルジオグラフィックといった海外企業が存在感を示しました。また、エンターテインメント・コンテンツ産業の大立者の参加もありました。イベントのオープニングには、華誼兄弟傳媒社プレジデントのジェームズ・チョンレイ・ワン(王中磊)氏が、百度(バイドゥ)の動画配信サービス「IQiyi(愛奇芸)」最高コンテンツ責任者マ・ドン(馬東)氏に続いて基調講演を行いました。
「シンガポール・メディア・フェスティバルが目指しているのは、アジアの旗艦メディアイベントの一つになり、業界内の交流促進、シンガポールおよびアジアのコンテンツへの注目度を高めることです。今後も引き続き、コンテンツの制作・配信やオーディエンス・エンゲージメントの新しい手段にまつわる連携を促してまいります。」 - メディア開発庁最高経営責任者(業界担当)アシスタント、アンジェリン・プー
シンガポール・メディア・フェスティバル(Singapore Media Festival: SMF)は、アジアへのメディア事業拡大を考えている世界中の業界関係者に、コンテンツ売買の市場を提供するイベントです。昨年、初開催されたSMFは非常に充実した成果をあげました。シンガポール・インターナショナル映画フェスティバル(Singapore International Film Festival: SGIFF)は、50カ国147作品を公開し、たくましい復活を見せました。コンペティション部門である「シルバー・スクリーン・アワード」では、新興映画制作者に全9賞を授与しました。中国メディア・エンターテインメント産業投資のためのS$1億3000万(US$1億)のメディアファンド発足といった大きな取り決めも、SMFでまとまっています。
SMFおよびその他併催イベントと関連する目標を持つことにより、ATFはクロス・プロモーションを通して相乗効果を得ることができました。これは、アジア内外の業界メディア関係者にイベント参加を促すという点では、あらゆるパートナーにとって有益なものとなります。なお、ATF/SS 2014は約US$2億5628万の販売契約を記録。2013年の開催時に比べて30%の増加です。定評ある海外メディア関係者間で新規契約がまとまりました。

併催のメリットは直ぐに表れます。他の質の高いイベントと同様に、ATFは常に、刺激に満ちた革新的なコンテンツをコンファレンス参加者のために探し求めています。SMFの日程表に名を連ねるということは、つまり、ATFが、その他のSMFイベントに参加する講演者やソートリーダーを活用するリソースを増やせるということです。ATF参加者のメリットは甚大で、今では、ATF内だけではなくSMF傘下イベント全般の業界関係者と人脈をつくる機会があります。こうしたプラットフォームを利用すれば、業界間のアイデアのやりとりが生まれ、結果として斬新なコラボレーションにつながるはずです。
ATFは、すべての販売業者とバイヤーにとって理想的なイベントです。新たに流行する番組について、最新情報を得るのに役立ちます。シンガポール開催の良いところは、世界中から集まる人々がアジアで戦略的に会合できるという点です。- インドネシアDAAI TV、メディアオペレーション&コンテンツアクイジション担当シニア
今年の見どころ
今年はさらに規模が大きくなる見通しのATFでは、12月のラインナップとしてコンテンツのさらなる差別化を図ります。下記は、その例です。
ATFプレマーケットコンファレンスでは、業界リーダーが一堂に会して、新たに生じつつある課題や機会、新しいビジネスモデル、主な投資や抜本的なイノベーションについて話し合います。Junior@ATF Conferenceでは、アニメにとどまらない子供向けジャンルを網羅します。 Formats@ATF Conferenceでは、業界関係者が各フォーマットの新興トレンドについて討論します。