概要
金融サービス産業のアジア市場参入
グローバル経済の成長エンジンとしてのアジアは、ここ数年動きが活発でした。アジアが海外直接投資を誘致し続け、中国がさらにグローバル経済に入り込んでいる中、新しいビジネス機会が、銀行、保険、資産管理、資本市場、フィンテックをはじめとする金融サービスセクターの至るところで発生しています。
2016年、世界金融センター指数(Global Financial Centres Index: GFCI)において、シンガポールはアジア第1位の金融センターに浮上しました1。また、世界中の金融業者にとって最も重要な開催地としては第3位に付いています。シンガポールは、世界中で評判のよい好況な金融センターを確立しました。アジア市場やその先へ参入する機会は、他国とは比べものにならないほど恵まれています。揺るぎないビジネスインフラ、安定した政治・経済環境、しっかりとした規制やコーポレートガバナンスの枠組み、流動的で活気に満ちた資本市場は、世界一流の金融機関にとって、シンガポールで地域に根ざそうとする誘因であり続けています。

グローバルな連結性や貿易結合度を活用
投資家は、シンガポールの金融サービスセクターの広域的な成長はもちろん、アジア市場にアクセスするためのグローバルな連結性や貿易結合度の恩恵を受けることができます。アジアでも有数の歴史をもつ貿易拠点であるシンガポールは、多くのアジア市場とビジネス、文化、言語の面で揺るぎない絆を育んでいます。また、労働力の質が高く、世界の有能な人材を積極的に引きつける姿勢をもっており、アジアで拡大しているグローバルなビジネスコミュニティを支えるに望ましいロケーションに位置しています。さらに、31の貿易パートナーと20の二国間または地域内の自由貿易協定(FTA)のネットワークを構築し、現在では、米国、日本、オーストラリア、欧州自由貿易連合加盟国などの主要経済圏を相手に、アジアで最も広範囲にわたるFTAネットワークを築いています2。

金融サービスビジネスイベントに選ばれる開催地
優れた金融センターとしてのシンガポールの評判は、主要産業プラットフォームでコラボレーション、イノベーション、人脈づくりやビジネス機会の模索を目指してシンガポールに集まってくる外国人を魅了しています。
フィンテック関連のイノベーションやアプリケーションを追求し続けるシンガポールは、アジアで初めて、主要モバイルデバイスプラットフォーム(Apple、Samsung、Android)すべてでNFC(近距離無線通信、Near Field Communication)によるe決済を導入した国です。シンガポール金融産業の堅牢性、イノベーションへの意欲、常に新しいフィンテックのイノベーションやアプリケーションに対する信頼を示す証しです。
金融サービスのビジネスイベント:成長の機会

ビジネスイベントの最新展望
アジアではその類では初のイベントとして初開催される「Singapore FinTech Festival 2016 」などの金融サービスイベントは、シンガポールや地域全域のフィンテックエコシステム内でコラボレーション、交流、共同構築のためのプラットフォームを提供するものです。「Seamless 2017」、「InsurTech 2017」、「The Future of Finance Summit」、「Singapore International Reinsurance Conference」など、その他イベントでは、業種や業界の違いを超えてベストプラクティスを共有することができます。2018年には、シンガポールで「Money 20/20 Asia」が開催されます。このイベントは、汎アジアに焦点を合わせて世界中の決済を動かし、アジアを金融サービスに革命を起こしているイノベーター、ディスラプター、既存の業界関係者が集まるものです。
機会
将来に備えて、フィンテックが広範囲に使用されることになるでしょう。デジタル化を転換させる可能性を活用して、成長やイノベーションを目指すためです。金融セクターが拡大を目指し、将来に備える中で、金融業界に特に関係があることが明らかなイベントには、フィンテックのバリューチェーンのさまざまな業種(フィンテックのスタートアップ、銀行、保険、貿易、能力育成など)に対応するものもあれば、イノベーションを後押しし、市場効率を高め、顧客サービスを強化する技術インフラプロジェクトを紹介するものもあります。
ご存知でしたか?
- 世界銀行のビジネス環境ランキングにシンガポールはランクインしています3。
- デル社が行った調査によると、シンガポールは、人や組織を変革させ、質の高いインフラを提供し、イノベーション、成長、収益を促す能力を備えていることから、最も革新的な未来志向都市の第3位に(サンノゼとサンフランシスコに次いで)ランクされています2。
- アジア本社に関するタワーズワトソン社の調査によると、「フォーチュン・グローバル500社」入りしている319社のアジア太平洋地域本社の41%がシンガポールにあることが判明しました4。シンガポール証券取引所(SGX)上場企業の約40%が、アジア太平洋地域(特に東南アジア)や、遠く欧州、米国などにわたる外国の企業です5。
1http://www.longfinance.net/Publications/GFCI23.pdf
2http://www.insis.com/articles/singapore-s-free-trade-agreements
3http://www.doingbusiness.org/data/exploreeconomies/singapore
4http://www.dell.com/learn/sg/en/sgcorp1/press-releases/2016-04-05-singapore-recognized-as-one-of-50-future-ready-economies-worldwide
5http://www.mas.gov.sg/singapore-financial-centre/overview/capital-markets.aspx