COVID-19(新型コロナウイルス感染症)による渡航制限の影響で、喧噪尽きぬシンガポールのわくわく感に満ちたナイトライフを楽しむことはできません。それならば、快適なご自宅でシンガポール風カクテルにチャレンジして、カクテルづくりへの情熱を燃え上がらせませんか。

このおうちバーづくりガイドを活用すれば、カクテルづくりの技術習得のスタートに必要な基礎を組み立てることができます。はじめてのカクテルをつくったら、ぜひ獅子の街シンガポールに乾杯してくださいね。乾杯!

スピリッツ
ティップリングクラブ - ぶらさがっているリキュールボトル

アルコールをしっかりと揃えずに、何がホームバーでしょうか? お酒選びに関して言えば、自分やゲストの好みのお酒を選ぶのがベストです。

そうは言っても、揃えておくべき定番はいくつかあります。覚えておくべきリキュールをご紹介しましょう。

ジン
ジュニパーベリーを原料にもともとは薬用酒として考案され、この地域でマラリアが流行した植民地時代にはキニーネの味を隠すために使われました。

近頃は、ラッフルズホテルロング・バーで誕生したシンガポール・スリングから、ネグローニやジントニックまで、さまざまなカクテルに使われるようになっています。

ジンを使ったカクテルがお好みなら、次のシンガポール旅行ではアトラス・バーにぜひお立ち寄りください。まばゆい装飾でしつらえた、世界最大のジンコレクションを誇る洒落た社交場です。

ウィスキー
ストレート派であろうがカクテルの目利きであろうが、バーの棚にはウィスキーを何種類か揃えなければ始まりません。この蒸留酒を使った不朽のカクテルには、オールドファッションドやハイボールなどがあります。

最高のウィスキーをつくっているのはどの国かという熱い論争は尽きることがありません。経験値を上げるには、次回のシンガポール旅行時に、グランデ・ウィスキー・コレクションマンハッタンにお立ち寄りください。スコットランド産と日本産のウィスキーの世界を教えてくれるのが、グランデ・ウィスキー・コレクション。マンハッタンでは、200種を超えるケンタッキー産のウィスキーをストックしています。

ラム
「ラム」という言葉から冒険家や船乗りを連想するかもしれませんが、サトウキビの廃糖蜜を発酵させてつくるこのリキュールを楽しむために海賊になる必要はありません。この蒸留酒は、ピニャコラーダやモヒートなどの定番カクテルに使うので、ホームバーに必ず用意しておきたい1本です。

近い将来シンガポールを訪れるラム好きの方は、ぜひオリジンバーをチェックしてみてください。世界40か国から集めた350種類のラムが自慢のバーです。

テキーラ
「テキーラ1杯、テキーラ2杯、テキーラ3杯、4杯目でよっぱらい」。テキーラの効き目について、こんなジョークを聞いたことはありますか? でも、この蒸留酒、すごいのは酔えることだけではありません。メキシコ生まれでブルーアガベを原料とするテキーラは、ブラッディメアリーやマルガリータなどのカクテルに使われています。

質の良くないテキーラは喉に刺激があるという悪評があるので、仕入れる時は必ず品質の高いブランドにしてください。あるいは、良いテキーラを置いていると評判のバーに必ず行きましょう。ジ・アザー・ルームは、上質な各種テキーラを含め、150種類の蒸留酒を店内で熟成させていることで知られています。


ミキサー
ネイティブバー - シンガポールの野生生物をイメージしたカクテル

ミキサー(割り材)とは、ごく簡単に言えばカクテルに使用するノンアルコールの材料のこと。フルーツジュースや柑橘類などの基本的なものから、ぐっとエキゾチックな材料までさまざまです。

シンガポール屈指の人気を誇るバーネイティブでは、ラクサの葉やキャンドルナッツなど、地元で手に入れた材料を使っています。受賞歴のあるナツメグ&クローブには、シンガポールのシーフード料理「チリクラブ」の味を思わせるカニのスープストックを使うカクテルがあります。

カクテルづくりを始めたばかりなら、独創的な材料に思い切って手を出す前に、基本の材料を必ず集めましょう。忘れてはいけない定番をご紹介します。

  • クラブソーダ 
  • トニック 
  • 甘味料 
  • レモンとライム 
  • フレッシュジュース(クランベリー、オレンジ、トマトがあれば、まず間違いありません)

バー用品とガラス製品
ボート・キーにあるアーサム・コールド・ドリンク・ストール - カクテル

ジガーカップ

バーテンダーの必需品の一つ、ジガーカップは、世界中のバーで使われている計量器です。カクテルを混ぜる際に、蒸留酒の割合を寸分違わず計ることができます。

カクテルづくりで見ないことはほぼないことの証拠として、「アジアのベストバー50」リストの第1位を飾っているバーには、ジガー&ポニーというふさわしい名前が付いています。

マドラー
バーテンダー用のかき混ぜ棒。果物やハーブ、スパイスなどの材料をマッシュ(バーテンダー用語では「マドル」)するために使います。

シェーカーティン
「ステアではなく、シェイクしてくれ(shaken, not stirred)」というフレーズは、ジェームズ・ボンドのファンの方にはすでにおなじみでしょう。カクテルづくりの道具の典型ともいえるシェーカーティンは、ドリンクを一瞬で混ぜたいと思っているバーテンダー志望者には欠かせないツールです。

スプーン
ゲストから一目置かれたいなら、普通のテーブルスプーンではなく柄の長いバースプーンを選びましょう。

ストレーナー
カクテルの氷や果物やハーブのかすなどを漉すために使います。