概要
アジアと深くつながる
2030年までに、アジアでは、人々の教育レベルが上がり、より積極的に社会活動に参加し、また世界とのつながりが強くなるにつれて、中産階級が25億人増えると予想されています。
旅行願望は、空路・陸路の旅行や消費財の大きな成長につながります。そこで必要になるのが、より効率的な交通機関とロジスティクスです。2015年のASEAN共同体発足計画のもと、ASEAN域内貿易は飛躍的に伸びることがさらに見込まれています。

交易の中心
シンガポールは、揺るぎない航空・海上能力を備えたロジスティクスやサプライチェーンを先導する拠点として、こうした発展を推進する態勢が整っています。さらに、シンガポール航空アカデミーおよびシンガポール海事研究機構を通して、シンガポールでは、これら2つのセクターで多数の現地職員の教育を行いました。
STエアロスペース、グッドリッチ、ロールスロイス、プラット・アンド・ホイットニーなど、100社を超える企業がシンガポールに拠点を置いています。また、セレター・エアロスペース・パークの支援の下、アジアのメンテナンス・リペア・オーバーホール(MRO)実績の4分の1をシンガポールの航空産業が占めています。
同時に、120以上の国で600カ所の港湾とつながっている戦略的位置づけのグローバル拠点港湾をもつシンガポールは、船舶金融、船舶仲介、リスク管理、海事保険に携わるグローバルリーダーにとって理想的なアジアの玄関口でもあります。世界の一流船舶グループのうち130余社がシンガポールに拠点を置いていることも、不思議ではありません。

サプライチェーン管理およびロジスティクスのグローバルリーダー
シンガポールの盛況なロジスティクス拠点は、世界銀行「2016年物流パフォーマンス指標」で155カ国中第5位です1。DHL、TNT、FedEx、キューネ・アンド・ナーゲル、山久、シェンカー、トール・ロジスティクス、UPS、郵船ロジスティクスをはじめとする国際ロジスティクス企業25社のうち21社が、地域サプライチェーンの運営をシンガポールに集約しています。
また、シンガポールは世界に通用するインフラへの投資を行っており、その例としては、空港の自由貿易地域にある「エアポート・ロジスティクス・パーク」、最大級のセキュリティをもつファインアート・コレクション用施設「シンガポール・フリーポート」、アジアで初めて腐敗性貨物を取り扱う空港施設「クールポート@チャンギ」が挙げられます。
航空宇宙・ロジスティクスビジネスイベント:成長の機会
ビジネスイベントの最新展望
航空宇宙セクターおよびロジスティクスセクターのビジネスイベントがシンガポールで盛んに行われていることは、驚くにはあたりません。「Singapore Airshow」は、世界3大国際エアショーの一つで、2016年にUS$127億超に値する取引が契約されました2。この種のエアショーとしてはアジア初の「 Rotorcraft Asia」は、便利な場所に民間ヘリコプター産業全体を集め、民生・医療、救助、半官半民航空機産業のニーズに応えています。同所で同時開催される「Unmanned Systems Asia」は、空中、陸上、海上、海中システムにおける最新ドローン技術・ソリューションに焦点を当てるものです。海事産業の主要イベントの一例である「Asia Pacific Maritime」は、造船、海事、業務用小型船、海洋を中心とするアジアで最も重要な展示会とコンファレンスです。「Singapore Maritime Week」とそのアンカーイベントである「Sea Asia」では、世界中の海事コミュニティが集まって海事の万事に祝意を表し、世界の船舶界におけるアジアの極めて重要な役割に注目します。

機会
世界貿易・輸送においてアジアが占めるシェアが次第に増えている中、地域内の物や人の移動を、アジアの新興経済国の安定した成長が後押しすることになるでしょう。乗客数の急増には即時インフラが必要です。これは、インフラ格差や投資モデルに対処するためのパートナーシップを推進するビジネスイベントに将来性があることを示唆しています。石油価格が変動し、発展途上国が環境破壊と闘っている中で、ユーザー中心の快適性や設計という独特の世界ゆえに持続可能な輸送やロジスティクスが重要焦点領域になりつつあります。
特にサプライチェーンおよびロジスティクスセクターのために、最近発表された「2016年シンガポールロジスティクス産業変革マップ(2016 Logistics Industry Transformation Map in Singapore)」では、ロジスティクスセクターを変革し、シンガポールの国際的ロジスティクス拠点としてのシンガポールの位置づけを強化することを目標としています。これにより、世界的な動向に沿って、最先端インフラ、プロセス自動化、システム統合および分析といった分野のイノベーションを中心とするニッチイベントの需要を創出する予定です。シンガポールの戦略的ロケーション、高度に発達したインフラ、技術の進歩、地球規模の連携のおかげで、当地域がニッチイベントの入り口になることに疑いはありません。
ご存知でしたか?
- 取扱量世界一の積み替え拠点であることはシンガポールの誇りです。2015年の取扱量は世界のコンテナ積み替え処理量の7分の1余り、つまり20フィートコンテナ換算(TEU)で3062万個に上ります2。
- アジア太平洋MROの支出は、2015年にUS$183億からUS$348億に増加する見込みです3。
- アジア太平洋地域は最大の輸送インフラ市場を依然維持しています。投資額は年間US$5570億から2025年4には年間約US$9000億に増える見込みです。 2016年には、5870万人を上回る乗客がチャンギ空港を通過しました。2017年にターミナル4、2020年後半までにターミナル5が完成することから、通過する乗客の数は1億3500万人に達する見通しです。チャンギ空港は60カ国280都市に向けて毎年6,500超の便が運航しており、年間200万トンの貨物を扱っています。
1http://lpi.worldbank.org/international/global
2http://supplychainasia.org/singapore-ranked-5th-logistics-performance-index/
3http://www.oliverwyman.com/insights/publications/2015/nov/2015-2025-mro-asia-market-forecast.html#.V-ScU_nvNhE
4http://press.pwc.com/News-releases/global-transport-infrastructure-investment-predicted-to-reach-unprecedented-levels/s/caf54072-69f8-4568-bc2c-e310e69ba555