ジョー・チャット/カトン

パステル調の色彩の商店や伝統料理の食堂、それに人気のブティックなどが立ち並ぶジョー・チャット/カトンは、シンガポールの中でも最もシンボリックな、歴史あふれるエリアとして知られています。最近でこそ新しい入居者たちが、狭い路地が蜘蛛の巣のように張り巡らされたこのエリアにクールな感覚を持ち込み始めていますが、プラナカン(中国系やマレー/インドネシア系のルーツを持つシンガポール海峡地域の出身者)の集落として始まったその歴史の最初期から、この地域のカラフルな色彩は変わらずに受け継がれてきました。プラナカンのコミュニティについて深く理解するには、ジョー・チャット/カトンを歩いて散策するのが一番です。ご家族連れにもぴったりの楽しい町歩きです。

全店、ユーノスMRT駅近く
昔ながらのスナックとコーヒーで1950年代の雰囲気を追体験
チン・ミー・チン・コンフェクショナリーの店頭で朝食を楽しむ人々

1 チン・ミー・チン・コンフェクショナリー

一日のスタートはチン・ミー・チン・コンフェクショナリーでの朝食から。ここは海南料理の食堂で、カヤ(ココナツと卵からつくった伝統的なジャム)のトースト、シュークリームやマフィン、それに靴下を使う昔ながらの方法で淹れたコーヒーなどが味わえます。素朴ながらも本格的な手作りの味は、おばあちゃんの家のオーブンから出てきたよう。食堂の内装も、タイムスリップしたかのような雰囲気。モザイクタイルの床、鉛筆のように脚の細いテーブル、木製の椅子、そして控えめな装飾をバックに写真を撮れば、インスタ映えすること間違いなしです。

伝統的なプラナカン風クラフトのリバイバル
カラフルなビーズをあしらったプラナカン風のスリッパ

2 ルーマ・ビビ

ターコイズブルーのファサード、金箔をあしらったドア、そして細かくて複雑なプラナカンのタイル。ルマ・ビビのユニークな店構えは絶対に見逃すことがありません。ここで開催されているビーズ細工づくりの教室に参加すれば、一人前のプラナカンの職人気分。ビーズ細工はプラナカンが誇りにしている伝統工芸で、何百という数の小さくてカラフルなビーズを、靴やカバン、その他のアクセサリーに刺繍であしらい、飾りあげます。この店のオーナーのビビ・シートも熟練の職人で、その指導を受ければあなたもあっという間に上達すること間違いありません。ルマ・ビビでは、ワークショップ以外にも、ケバヤ(マレーの伝統衣装)や部屋着など、プラナカン文化が色濃く香るお土産を購入することもできます。

レコードのコレクションを充実させるならここ

3 チョイス・カッツ・グッズ・プラス・コーヒー

プラナカンの伝統文化を体験したあとは、ルマ・ビビから角を曲がってすぐのところにあるチョイス・カッツ・グッズ・プラス・コーヒーへ。ここではモダンなシンガポールを満喫できます。カフェとレコードショップがひとつになったこのお店には、ファンクやソウルのビニール盤レコードのコレクションが満載。ひとつひとつページをめくるように、お気に入りのタイトルを探してまわりましょう。音楽マニアを自任するあなたなら、「リスニング・セッション」で即席DJを務めることもできます。日曜日の午後は、一般参加のDJがお気に入りのチューンをプレイ。幅広いレパートリーの音楽を満喫できます。

ヒンドゥー文化を体感
スリ・ヴィーラマカリアマン寺院のクローズアップ - 祈禱用ランプ

4 スリ・センパガ・ヴィナヤガー寺院

チョイス・カッツから少し歩いたところにあるのが、スリ・センパガ・ヴィナヤガー寺院。ここでは再び伝統文化にひたってみましょう。プラナカン地区の真ん中にありながらヒンドゥー教の寺院として異質な雰囲気を放っているこの寺院は、シンガポールの多様性の象徴ともいえるかもしれません。金色に輝く壮麗な塔は、周囲の背の低い商店群の中にあって特に目立ち、プラナカンの細かいモチーフとは好対照を見せています。ここを訪れるのに最適な時間帯は早朝、または午後5時半。この時間に祈禱が最高潮を迎えます。この寺院はまた、スリ・センパガ・ヴィナヤガー音楽舞踊学院を運営していることでも知られています。ここで伝統的なバラタナティヤムの舞踊やインド楽器の演奏を学び身体を伸ばすのも良いでしょう。

絵葉書そのままの撮影スポット
クーン・セン・ロードに面して並ぶカラフルなショップハウス

5 クーン・セン・ロード

カメラを用意したら、スリ・センパガ・ヴィナヤガー寺院から北へ進んで、テンべリング・ロードとクーン・セン・ロードの交差点に向かいましょう。この周辺では、シンガポールの中でも最も魅力的で古いショップハウスと呼ばれる住宅をいくつか目にすることができます。エレガントのパステル調のカラーリングのファサードには、熊のレリーフやモチーフなど、複雑な文様が彩りを添えています。伝統的な建築様式をしっかりと目に焼き付けたら、さあ撮影タイム。素敵な写真を撮って、友人や家族に自慢しましょう。

正統派のプラナカン料理を堪能
シンガポールで最も長い歴史を誇るプラナカン料理のレストラン、グアン・ホー・スーンで食事をする4人の観光客

6 レストラン「グアン・ホー・スーン」

これだけたくさん歩いてきたら、そろそろお腹も空いてくる頃でしょう。プラナカンの伝統建築を楽しんだあとは、本格的なプラナカンの伝統料理にトライするのが本筋というもの。グアン・ホー・スーンはシンガポールで最も長い歴史を誇るプラナカン料理のレストランです。1953年のオープン以来、正統派のニョニャ料理を提供し続けています。プラナカン料理は、中国系の料理とマレー系の料理が融合した、辛くて複雑な味わいが特徴です。プラナカンのコミュニティの本物の伝統を自分の舌で体感したいという人には、アヤム・ブア・クルア(東南アジア原産のブラックで煮込んだチキン)やバビ・ポンテ(豚のお腹の肉のシチュー)がおすすめです。

プラナカンのすべてが学べる場所
ザ・インタンに展示されているプラナカンのモチーフの入ったティフィン(インドのお弁当箱)やボウル

7 ザ・インタン

これまで、プラナカンの食も、工芸も、芸術も体感してきました。そこで、最後に立ち寄るスポットはザ・インタンに決まりです。ひとつの邸宅をまるごとミュージアムにしたここは、プラナカン文化のすべてを余すところなく学ぶことができる場所です。オーナーのアルヴィン・ヤップは根っからのプラナカンっ子で、その人生すべてをプラナカンのコミュニティの伝統と芸術を記録に残すことに捧げてきました。ザ・インタンは、そんな彼が築き上げた宝箱のようなものです。家具からティフィン、ジュエリーまで、このミュージアムに収められたすべてのコレクションのひとつひとつが豊かな物語に彩られた骨董品であり、アルヴィンはそうした物語を喜んで聞かせてくれます。

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