そのブルーの外観が物語るとおり、明るい雰囲気をもつプラナカンの伝統的住宅、NUSババ・ハウスは、ある海峡華人名家の20世紀初期の住宅を堪能できる素晴らしい空間です。

かつては海運王ウィー・ビン(Wee Bin)の先祖伝来の邸宅だったこの戦前のテラスハウスは、シンガポールに数軒残る、伝統的なプラナカンのショップハウスの1つ。当初の巧緻な内装がそのまま保存されています。

丁寧な修復

マラッカ生まれの著名な実業家で地域社会の指導者でもあったトゥン・タン・チェン・ロック(Tun Tan Cheng Lock)の末娘、アグネス・タン(Agnes Tan)の寄付により、シンガポール国立大学がこの住宅を買い取り、修復を行いました。

2年間の修復を終えたNUSババ・ハウスが公開されたのは、2008年のことです。現在は、同大学が管理し、家具や家庭用品を含め、外観と内装の構造を保存するための調査員を派遣しています。

大学の考古学者および美術史家には、この建物の装飾の図像の発掘や調査を行う機会が提供されました。

美しいものを見る幸せ

1階と2階に展示されている2,000点を超えるプラナカンのアンティークや装飾品の中には、こうした資料もあります。3階ギャラリーで開催されているプラナカンをテーマにした企画展も、お見逃しなく。

ご参考までに、NUSババ・ハウス見学は完全予約制です。見学者は、遺産ツアーに事前登録する必要があります。