ノース・ブリッジ・ロードとスタンフォード・ロードの合流点に位置し、独特の存在感を放つキャピトル・ビルは、長い間、シティホールのランドマークの一つでした。

1930年代に建てられたこの由緒ある建築物は、4年間にわたる改修工事によって以前の栄光を取り戻し、現在は複合施設「キャピトル・シンガポール」となっています。

注目の歴史街区

ナマツィー家の依頼により、建築事務所キーズ&ダウズウェル(Keys & Dowdeswell)が新古典主義様式で設計したキャピタル・ビルが完成したのは、キャピトル・シアターの完成から4年を経た1933年のことでした。キャピトル・シアターは、そのオープン以来、シンガポール第一の映画館として数十年間にわたって同国の映画シーンの中心でした。

交差点に面して建つ、ポルチコのあるファサードが印象的なこの建物は、シンガポールでも最も有名な街路の風景のひとつとなりました。巨大な広告看板にはキャピトル・シアターで上映中の最新映画のポスターが飾られ、街行く人々やドライバーたちの注目を集めました。

今日、キャピトル・シアターは、建設当時の建築の細部はそのままに、舞踊や演劇作品の公演、映画の上映会やレッドカーペットイベントの会場として利用されています。アールデコ様式のエントランス、曲線を描く片持ち梁のキャノピー、十二支で飾った丸屋根、舞台両側に置かれたペガサスと乗り手の彫像も、このシアターの自慢です。

ショッピングとエンターテインメントの拠点

キャピタル・ビル、キャピトル・センター、キャピトル・シアター、スタンフォード・ハウスという一群の遺産建築物は、複合施設「キャピトル・シンガポール」として新たに生まれ変わりました。

この複合施設には、超高級ホテル「ザ・キャピトル・ケンピンスキー・ホテル」、キャピトルの高級アパートメント「エデン・レジデンス」や「キャピトル・ピアッツァ」、「アーケード@ザ・キャピトル・ケンピンスキー」など、ライフスタイル、ショッピング、エンターテインメントの施設が入っています。

1階にある活気に満ちた商店街「キャピトル・ピアッツァ」には、「コルティナ・ウォッチ」や「CYC」などの高級ブティックや、台湾の有名ベーカリー「ウー・パオ・チュン」などが並んでいます。

アーケード@ザ・キャピトル・ケンピンスキーは、世界中の料理を楽しめる飲食店街です。例えば「フリーダ」ではドイツの料理とビール、「ベルトホルト・デリカテッセン」ではスペシャルティコーヒーとペストリー、「キャピトル・ミルク・バー」ではおいしい地元料理が堪能できます。

アーケード@ザ・キャピトル・ケンピンスキーにはMRTのシティホール駅に直結する地下通路があり、アクセスは簡単です。