シンガポール川を行くバム・ボート・クルーズ
1 ボート・キー

午前9時:シンガポール川クルーズ

バムボート・クルーズに乗って悠然と進むシンガポール川が旅の始まりです。シンガポール川は かつては交通量の多い水路で、 150年にわたりシンガポールの商業活動の中心的存在でした。バムボートで、沖に停泊している外洋航路船との間を往復し、川の両岸の倉庫に積み荷を降ろしていました。このような乱用によって川の汚染を引き起こしたため、1977年、時の首相リー・クアンユーがシンガポール川10年再生計画を制定しました。シンガポール国民の熱心な取り組みにより、この目標は1987年に達成されました。

現在、再生した ウォーターフロント地区は、地元の人々にも旅行者にも人気のエンターテインメント&ナイトライフ・スポットです。G-Max リバース・バンジーといったスリル満点のリバーサイド・アクティビティを楽しめるほか、シックなレストランやバーが軒を連ね、訪れる人を飽きさせません。

リバー・クルーズの乗り場は13カ所ありますが、ここでは、次の目的地へのアクセスも考えて、ラッフルズ・プレース駅までMRTに乗り、そこからボート・キー桟橋まで徒歩で行くか、またはクラーク・キー駅で下車して、クラーク・キー・セントラル・モールの外にあるクルーズ・ブースに向かいましょう。

マリーナ・ベイ・サンズとアート・サイエンス・ミュージアム™の景観
2 パダン

午前9時45分:パダン

ボート・キーで下車して、「パダン」を目指して15分ほど歩きます。パダンとは、マレー語で平地を意味する言葉です。シビック・ディストリクトの歴史的中心部であるパダン。ここで、1965年8月9日にシンガポールの独立が宣言されました。2年後の1967年、「ガーデンシティ」推進事業が発足し、シンガポールの“緑化”を目指す国家的取り組みの先駆けになりました。この取り組みの最後を飾ったのが、意欲的なガーデンズ・バイ・ザ・ベイ開発のために設けられた土地です。この土地は、現在、シンガポールで最も写真撮影されるランドマークになっています。

パダンに立ち、驚嘆の建築物マリーナ・ベイ・サンズ®(MBS)を眺めましょう。造成地に、スカイ・パークでつながる3つのホテル・タワーが誇らしげに立っています。マリーナ・ベイ・サンズの奥にあるのが、工学技術上の快挙たるマリーナ・バラージです。島の集水域を拡大することによって真水供給量の増加を目指すシンガポールの取り組みの一環として建設されました。

新しいナショナル・ギャラリー・シンガポールは、必見。パダンの向かいにあります。かつて最高裁判所とシティホールの建物だったナショナル・ギャラリー・シンガポールは、シンガポール最大のビジュアル・アーツ・スポットとして、この地域のアートを独特の視点で紹介しています。シンガポールと東南アジアのすばらしいアート・コレクションを所蔵しています。

シンガポール川からコンノート・ドライブかセント・アンドリュー・ロードまで、パダンに向かって徒歩。

 

スリ・マリアマン寺院の外にある彫刻
3 チャイナタウン

午前10時30分:チャイナタウン・ウォーキング・ツアー

シンガポールのチャイナタウンまでは、時間はかかりません。昔、チャイナタウンのショップハウスは、より良い暮らしを求める移民たちでいっぱいでした。オペラ・ティーハウスや阿片窟は最も人気ある娯楽でした。また、チャイナタウン・ストリート・マーケットは、住民が集まって買い物、食事、社交を楽しむ場所でした。.

今日、住民の公営住宅への定住化が 成功し、 チャイナタウンは混雑や荒廃とは無縁になりました。保全活動のおかげで、チャイナタウンの独特の魅力をもつ建築物の多くが残されています。昔と同じように、今も礼拝所は商業と共存しています。

最近改修されたテロック・アヤ・ストリートのティアン・ホッケン寺院は、シンガポール最古の中国寺院です。同じ通りのすぐ右にあるのがマスジッド・アル・アルブラール、シンガポールでも初期に造られたモスクです。通りを数本隔てたサウス・ブリッジ・ロードには、国内最古のヒンズー教寺院スリ・マリアマン寺院があります。これらの3つのお寺 は チャイナタウンをマルチカルチャーでシンガポールならではの個性的な場所にしています。周辺の通りや路地を ゆっくり 散策してみましょう。ショッピングスポットや魅力的なカフェが手招きするようにいくつも並んでいます。チャイナタウン巡りのおしまいに、「イーシン・シュアン・ティーハウス(怡心軒茶館)」か「ティー・チャプター」に立ち寄りましょう。これらの茶館では、今も上等なお茶を伝統的な手法で淹れています。非の打ち所のない新旧の融合です。

ノース・ブリッジ・ロードまで歩き、124番または174番のバスでアッパー・クロス・ストリートへ。または、シティホール駅からオートラム・パーク駅までMRTに乗車。

プラナカン博物館のプラナカンティーセット
4 プラナカン博物館

正午:シンガポール・プラナカン博物館

アルメニアン通りにあるプラナカン博物館ではプラナカン*の人々の生活を知ることができます。中国、マレー、インドの民族的要素が独自の形で融合したプラナカン文化は、緻密な美術工芸、独特の伝統文化、絶品の料理が特徴です。改築された校舎を利用した博物館は、世界で最も優れ、最も包括的なプラナカン工芸品のコレクションを所蔵しています。展示されている工芸品に感動を覚えながら、プラナカンの歴史について詳しく学び、シンガポール史で重要な役割を果たしたプラナカンの歴史上の人物について知りましょう。博物館を見学しながら、何よりもまず、プラナカンの伝統の多くの側面が、現代のシンガポールに継承されていることに気付くはずです。

*この言葉は、インドネシア/マレー語で「地元生まれ」を意味し、通常は中国系とマレー/インドネシア系の人々の婚姻による子孫のことをいいます。

ユー・トン・セン・ストリート沿いのピープルズ・パーク・コンプレックスの外にあるバス停から124番または190番のバスでヒル・ストリートに向かい、アルメニアン教会で下車。